適正ロットを計算するには、エントリー前に損切り幅を確認する必要があります。
PC版MT4では、十字カーソルをエントリー予定価格から損切り予定価格までドラッグすることで、チャート上の値幅を測定できます。
ただし、十字カーソルの中央に表示される数値は、MT4上の「ポイント」です。そのままpipsや、FX適正ロット計算機への入力値になるとは限りません。
この記事では、次の内容を解説します。
- MT4の十字カーソルで損切り幅を測る手順
- 表示される3つの数字の意味
- ポイントとpipsの違い
- FX適正ロット計算機へ入力する数値
- GOLD・US30Cash・BTC/USDの入力例
損切り幅とは
損切り幅とは、エントリー予定価格から損切り予定価格までの価格の距離です。
例えば、USD/JPYを次の価格で買うとします。
- エントリー予定価格:163.610円
- 損切り予定価格:163.443円
価格差は次のとおりです。
163.610 − 163.443 = 0.167円
USD/JPYでは、0.167円の値幅は16.7pipsに相当します。
損切り幅と損失額は、別のものです。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 損切り幅 | エントリー価格から損切り価格までの距離 |
| 損失額 | 損切りされた場合に失う金額 |
同じ損切り幅でも、取引ロットが大きくなれば損失額は増えます。
そのため、先にチャート上で損切り位置を決め、その値幅と許容損失額を基に適正ロットを計算します。
この記事では、損切り位置そのものの決め方ではなく、すでに決めた損切り位置までの値幅を測る方法を扱います。
MT4の十字カーソルで損切り幅を測る方法
測定手順は次の3段階です。
- 十字カーソルを表示する
- エントリー予定位置から損切り予定位置までドラッグする
- 表示された値幅を確認する
十字カーソルを表示する
MT4上部のツールバーにある十字カーソルのアイコンをクリックします。
十字カーソルは、次の操作でも表示できます。
- キーボードの「Ctrl+F」
- マウスの中央ボタン
初めてこの機能を使う場合は、ツールバーのアイコンから操作する方法が分かりやすいでしょう。
エントリー位置から損切り位置までドラッグする
十字カーソルを表示したら、エントリー予定価格を始点にし、損切り予定価格までドラッグします。
買い注文の場合は、エントリー予定位置から下方向へ測ります。
売り注文の場合は、エントリー予定位置から上方向へ測ります。
現在価格ではなく、実際に予定しているエントリー価格を始点にしてください。
特に指値注文では、現在価格から損切り位置まで測ると、本来予定している損切り幅とは異なる数値になります。
表示された3つの数字を確認する
十字カーソルをドラッグすると、次のような3つの数字が表示されます。
2 / 167 / 163.610
| 表示位置 | 表示例 | 意味 |
|---|---|---|
| 左 | 2 | 始点と終点の間にあるローソク足本数 |
| 中央 | 167 | 始点と終点の値幅を表すMT4ポイント数 |
| 右 | 163.610 | 測定終点の価格 |
損切り幅を確認するときに見るのは、中央の数値です。
ただし、中央の数値をそのままFX適正ロット計算機へ入力するわけではありません。
MT4の中央表示は、価格の最小桁を基準に数えたポイント数です。ツールへ入力するときは、銘柄に応じてpipsまたは実際の価格差へ換算します。
MT4のポイントとpipsの違い
MT4の十字カーソルに表示される中央の数字は「ポイント」です。
一方、FX通貨ペアの値幅には「pips」がよく使われます。
ポイントとpipsは同じ数値になるとは限りません。FX適正ロット計算機へ入力するときは、MT4に表示されたポイント数を、銘柄に対応した単位へ換算する必要があります。
USD/JPYの167ポイントを16.7pipsへ換算する
今回のUSD/JPYは、小数点以下3桁で表示されています。
この場合、10ポイントが1pipsです。
167ポイント ÷ 10 = 16.7pips
したがって、FX適正ロット計算機へ入力する値は「16.7」です。

167をそのまま入力しないでください
USD/JPYで「167」と入力すると、FX適正ロット計算機では167pipsの損切り幅として計算されます。今回の正しい入力値は「16.7」です。
FX適正ロット計算機へ損切り幅を入力する方法
MT4で損切り幅を確認したら、FX適正ロット計算機を開きます。
入力手順は次のとおりです。
- 取引する銘柄を選択する
- 口座残高を入力する
- 許容損失率または許容損失額を入力する
- 銘柄に対応した損切り幅を入力する
- 計算結果を確認する
USD/JPYの例では、次のように入力します。
MT4表示:167ポイント
換算後:16.7pips
選択銘柄:USD/JPY
損切り幅:16.7
MT4で測定した銘柄と、ツール上で選択する銘柄を必ず一致させてください。
銘柄ごとに契約サイズや値幅の扱いが異なるため、別の銘柄を選ぶと正しい適正ロットを計算できません。
FX適正ロット計算機の詳しい入力方法や計算結果の見方は、以下の記事で確認できます。
GOLD・US30Cash・BTC/USDの入力値
FX通貨ペア以外では、MT4に表示されたポイント数を、実際の価格差へ換算して入力します。
今回確認したGOLD、US30Cash、BTC/USDはいずれも小数点以下2桁で表示されているため、MT4中央のポイント数に「0.01」を掛けて価格差を求めます。
ただし、この換算方法をすべての銘柄へそのまま適用できるわけではありません。利用する業者、口座タイプ、銘柄によって表示桁数や契約仕様が異なる場合があります。
GOLDは22.94を入力する
GOLDの測定画面では、次の数字が表示されています。
8 / 2294 / 4105.75
中央の「2294」がMT4上のポイント数です。
今回のGOLDは小数点以下2桁で表示されているため、1ポイントは0.01ドルです。
2294 × 0.01 = 22.94
エントリー予定価格と損切り予定価格の差は22.94ドルです。
FX適正ロット計算機には「2294」ではなく、「22.94」を入力します。

US30Cashは120.43を入力する
US30Cashの測定画面では、次の数字が表示されています。
6 / 12043 / 52235.08
中央の「12043」がMT4上のポイント数です。
今回のUS30Cashは小数点以下2桁で表示されています。
12043 × 0.01 = 120.43
エントリー予定価格と損切り予定価格の差は120.43です。
FX適正ロット計算機には「12043」ではなく、「120.43」を入力します。

BTC/USDは474.30を入力する
BTC/USDの測定画面では、次の数字が表示されています。
5 / 47430 / 65084.96
中央の「47430」がMT4上のポイント数です。
今回のBTC/USDは小数点以下2桁で表示されています。
47430 × 0.01 = 474.30
エントリー予定価格と損切り予定価格の差は474.30ドルです。
FX適正ロット計算機には「47430」ではなく、「474.30」を入力します。

4銘柄の入力値一覧
今回確認した4銘柄のMT4表示と、FX適正ロット計算機へ入力する値をまとめます。
| 銘柄 | MT4中央表示 | 換算後の値幅 | ツール入力値 |
|---|---|---|---|
| USD/JPY | 167 | 16.7pips | 16.7 |
| GOLD | 2294 | 22.94ドル | 22.94 |
| US30Cash | 12043 | 120.43 | 120.43 |
| BTC/USD | 47430 | 474.30ドル | 474.30 |
今回の例では、USD/JPYはMT4ポイントをpipsへ換算し、GOLD・US30Cash・BTC/USDは実際の価格差へ換算しています。
ただし、銘柄や業者、口座タイプによって価格の表示桁数や契約仕様が異なる場合があります。
表示桁数が今回の例と異なる場合は、MT4中央の数値だけで判断せず、エントリー予定価格と損切り予定価格の差も確認してください。
銘柄ごとに換算方法を確認してください
小数点以下2桁表示だからといって、必ず「MT4ポイント数 × 0.01」で入力できるとは限りません。本記事の換算例は、掲載したMT4画面とFX適正ロット計算機Ver1.1.2の仕様を照合した結果です。 利用中の業者・口座タイプ・銘柄仕様が異なる場合は、実際の価格差も確認してください。
本記事の画像と入力例は、PC版MT4およびFX適正ロット計算機のWordPressプラグインVer1.1.2で確認しています。
損切り幅を測るときによくある間違い
MT4で損切り幅を測るときは、表示される数字や測定する位置を間違えると、FX適正ロット計算機の結果もずれてしまいます。
特に次の5点は確認しておきましょう。
ローソク足の本数を損切り幅だと思う
例えば、MT4に次のように表示されたとします。
2 / 167 / 163.610
左側の「2」は、始点と終点の間にあるローソク足の本数です。
損切り幅ではありません。
値幅を確認するときは、中央の「167」を見ます。
MT4中央の数字をそのまま入力する
中央に表示される数字は、MT4上のポイント数です。
今回確認した4銘柄では、次のように換算してからFX適正ロット計算機へ入力します。
- USD/JPY:167 → 16.7pips
- GOLD:2294 → 22.94ドル
- US30Cash:12043 → 120.43
- BTC/USD:47430 → 474.30ドル
MT4中央の数字をそのまま入力するのではなく、銘柄に対応した単位へ換算してください。
ツールで別の銘柄を選ぶ
MT4で測定した銘柄と、FX適正ロット計算機で選択する銘柄は必ず一致させます。
例えば、MT4でUSD/JPYを測定した場合は、ツールでもUSD/JPYを選択してください。
銘柄ごとに契約サイズや値幅の扱いが異なるため、別の銘柄を選ぶと正しい適正ロットを計算できません。
現在価格から損切り位置まで測る
指値注文など、現在価格とは別の価格でエントリーする予定がある場合は、現在価格から損切り位置まで測らないようにします。
始点にするのは、実際に予定しているエントリー価格です。
エントリー予定価格から損切り予定価格までの距離を測ってください。
ロットを先に決める
- 損切り位置を決める
- 損切り幅を測る
- 許容損失額を決める
- 適正ロットを計算する
取引したいロットに合わせて損切り位置を変えるのではなく、損切り幅と許容損失額に合わせてロットを調整します。
損切り幅の測定はPC版MT4を推奨
FX de Rebootでは、損切り幅の測定と適正ロットの計算には、PC版MT4の使用を推奨しています。
今回確認したiPhone版MT4の環境では、PC版の電子定規と同じ形式で、値幅のポイント数を表示する測定は確認できませんでした。
また、スマートフォンの小さな画面では、エントリー位置や損切り位置を細かく確認しにくく、入力ミスにつながる可能性があります。
そのため、エントリー前の準備は、できる限りPCで完了させる方針です。
- PC版MT4でチャートを確認する
- エントリー位置と損切り位置を決める
- 十字カーソルで損切り幅を測る
- FX適正ロット計算機で適正ロットを確認する
- 注文内容を確認する
スマホ版MT4は、主に外出先での確認用途に使います。
- エントリー後のポジション状況を確認する
- 事前に設定した指値注文の約定状況を確認する
- 損切り注文や利確注文が設定されているか確認する
スマホだけでエントリー前の判断を完結させるのではなく、損切り幅の測定、適正ロットの計算、注文内容の確認は、可能な限りPCで行います。
スマホ版MT4は状況確認を中心に使う
FX de Rebootでは、スマホからの新規エントリーは推奨していません。エントリー前の確認や損切り幅の測定はPCで行い、スマホ版MT4は外出先でのポジションや指値注文の確認を中心に使います。
まとめ
MT4で損切り幅を測るときは、PC版MT4の十字カーソルを使います。
今回の要点は次のとおりです。
- 損切り幅は、エントリー予定価格から損切り予定価格までの距離
- 十字カーソルでは3つの数字が表示される
- 中央の数字がMT4上の値幅ポイント
- MT4ポイントとpipsは同じとは限らない
- USD/JPYはpipsへ換算する
- GOLD、US30Cash、BTC/USDは実際の価格差へ換算する
- FX適正ロット計算機では、測定した銘柄と同じ銘柄を選択する
- スマホ版MT4は、外出先での状況確認を中心に使う
損切り幅やロットを感覚で決めると、取引ごとの損失額が安定しません。
エントリー前に損切り幅を測定し、許容できる損失額を基に適正ロットを確認してください。
免責事項
本記事およびFX適正ロット計算機は、資金管理の参考情報を提供するものであり、利益を保証するものではありません。
取引条件や契約仕様は、利用するFX業者、口座タイプ、銘柄によって異なる場合があります。実際の取引前に、利用中の業者が提示する最新の取引条件をご確認ください。
最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。


